教育格差を「当然」「やむをえない」と考える保護者が6割超ーー「学校教育に対する保護者の意識調査」の結果が公表されました(朝日新聞社・ベネッセ教育総合研究所)。

教育から平等の理念が抜き去られたとき、そこで子ども達に何が教えられるのでしょうか。豊かな知識、創造性、コミュニケーション能力。そうしたものが溢れる「理想」の教育現場がつくられたとしても、それを享受できる権利が保護者の所得の多寡に左右されるのを容認してしまえば、いくら美しい建前が講じられたところで、その教育を出発点にして社会に「平等」をめぐる真の想像力が根付いていく可能性は「×0(かけるゼロ)」にしかなりません。

新自由主義的価値観の広がりや「ポリティカル・コレクトネス」に対する揺り戻し、格差の固定化からくるあきらめ。けれども、前の世代が切り開いてきた教育の平等という理念をこのままゆっくりあきらめてしまうには、あまりに大きな財産です。市民活動を含め、社会をかたちづくる人々が平等に向かって強く突き動かされてきたのは、単に「平等=正しさ」という公式のみに惹かれたからではないはずです。

朝日新聞 :教育格差「当然」「やむをえない」6割超 保護者に調査

ベネッセ教育総合研究所:学校教育に対する保護者の意識調査 2018

(日本NPOセンターメールマガジンより転載)

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