このたびの災害で被災された皆様、困難な状況におられる皆様、ご関係の皆様に心よりお見舞い申し上げます。10月29日現在、全国12都県で災害ボランティアセンターが立ち上がっています。(全国社会福祉協議会の被災地支援・災害ボランティア情報より)
災害ボランティア募集状況(台風15号、19号、10月25日からの大雨)
災害があるたびに、課題として挙げられることがあります。それは、支援が届きにくい人たちの存在です。災害対策基本法では、「要配慮者」として、「高齢者、障害者、乳幼児その他の特に配慮を要する者」と定義されます。
具体的にどんな困りごとがあるのか。「情報の取得」、「移動・避難に関すること」、「環境適応に関すること」などが挙げられます。視聴覚障害者や外国人は、行政や支援団体が発信する情報を受け取りにくい状況があります。人工呼吸器などの医療機器を装着している場合は、電源の喪失などにより命の危機にさらされることもあります。また、障害特性によっては、不特定多数の人が集まる避難所や不慣れな環境に適応できない場合があります。加えて、災害があった地域では、障害者や難病者、高齢者の支援団体も被災します。よって、日常的なサービスも受けられない状況となりかねません。
大阪ボランティア協会は、2016年度からの3年間、災害時のスペシャルニーズ支援、特に「障害者・難病者支援」「こども支援」「外国人支援」の3テーマについて調査を行いました。災害時、特別な配慮を必要とする人にはどんな困りごとが発生するのか、どうすれば外部支援者の力をうまく借りることができるのかなどについて、まとめられています。
大阪ボランティア協会の梅田純平さんは、「特別な配慮を必要とする人たちの声はなかなか見つけにくい。ハンドブックでも事例としてあげているが、障害を抱えた人は、避難所などに行っていないケースがある。迷惑をかけてしまうからという意識からだ。」と、話されました。ハンドブックは、当事者団体といっしょにヒアリングを行ったり、実際の取り組みからまとめられています。
今後、被災地域で活動される方は、支援が届きにくい人たちの存在を意識してほしいと思います。直接相談をうけて迷うことがあったら、ハンドブックを参考にしたり、関係団体と連携したりしてください。