小学生のときに、夏休みの自由研究として「地球温暖化」を取り上げたことがあった。温室効果ガスのこと、気温の上昇、生態系への影響などを調べた。今でも覚えているぐらい強烈な印象が残っている。

現在、脱炭素社会の実現は、世界の課題として取り組まれている。「サステナビリティ」という共通目標のもとに、政府や企業をはじめとして、あらゆるセクターが温室効果ガスの削減をすすめる。特に企業は、経営の中心に脱炭素を掲げ、材料調達、製造工程、輸送システム、エネルギーなどで総点検が行われ、やれることは全て取り組もうという姿勢がみられる。削減目標が指標化され、毎年の変化が報告されている。

一方で、企業とNPOの連携の視点でみると、それほど活発化していないという課題を感じている。地域環境の保全が、温室効果ガスの削減に貢献するか指標化しにくく、いまひとつ、NPOとの接点がつくりにくくなっているのではないか。環境NPOが得意としてきたことのひとつに、身近な自然環境を保全してきたことがあげられる。里地・里山、川、湿地などに生息する生き物や植物を、市民と一緒になって守ってきた。

2022年12月カナダ・モントリオールで、生物多様性条約第15回締約国会議が開催され、ポスト2020生物多様性枠組の採択に注目が集まる。骨子には、「2030年までに陸域の30%ならびに海域の30%を保護する」というグローバル目標が掲げられ、「保護地域以外で生物多様性の保全に資する地域(OECM: Other Effective area based Conservation Measures)」の重要性が位置付けられる。

脱炭素(カーボンニュートラル)・循環型経済(サーキュラーエコノミー)に加えて、生物多様性の保全を含む自然資本の回復(ネイチャーポジティブ)が重要指標になると、地域の環境NPOとの連携は欠かせない。地道な取り組みが、より広がっていくことを期待したい。