日本NPOセンターでは、昨年度から“ともに市民社会をつくる学びのコミュニティ「ともしび」”を開催しています。6コース各3コマからなる「ともしび・NPOスクール」と、参加者が自ら設定したテーマを掘り下げる「ともしび・ひみつゼミ」からなり、タイトルにもある通り、学びあいのためのコミュニティづくりを志向しています。
「ともしび・NPOスクール」は既に3コースが終了しており、いよいよ後半戦に入ります。また、11月開講の「ともしび・ひみつゼミ」も募集を開始しました。活動を進める上で迷っていることがある方、さらにステップアップしたいという方は、ぜひご参加いただければと思います。
今回は、10月8日、15日、22日と開催した「ともしび・NPOスクール 未来の想像編」から、個人的に印象に残ったキーワードをご紹介したいと思います。
特定非営利活動法人クリエイティブサポートレッツは、アートを通じて居場所を作る取り組みをされています。障害者が特定の行為を繰り返すこだわり行動はときに「問題行動」だと判断され、対応すべきこととされてきました。これを「表現」だと捉え、肯定してはどうだろう。こうして生まれたのが「表現未満、」というプロジェクトです。
クリエイティブサポートレッツの拠点は、浜松市内の中心街にあります。「歩いて15分圏内にちょっとした手助けをしてくれる人がいると、幸せを感じるのだと思うのです」。クリエイティブサポートレッツの久保田翠さんはこの徒歩15分圏内を「ちまた」と表現し、街中で展開しているアート活動を「ちょっとした知り合いを作っていく」取り組みであると紹介されました。障害がある人もない人も、アートを通じて街で出会い、同じ場所、同じ時間を共有することで、顔は見たことがある、ちょっとした知り合いになっていく。こうした取り組みを重ねることで、障害について深い理解はないとしても、困っていたときに気にかけてくれる人が増えるのではないか。とても自然なアプローチに感じました。
昨年のともしび・NPOスクールで講演いただいたたんぽぽの家の播磨靖夫さんは、「異なるものに持ち込め、異なるものと組め、異なるものから学べ」とおっしゃっていました。クリエイティブサポートレッツの活動はまさに異なるものを混ぜる活動だと感じます。
この「徒歩15分圏内」は、未来の想像編第2回、第3回でも共通した活動範囲として繰り返し出てきたように思います。「社会を変える」というと少し遠い話でリアリティを感じにくいものですが、生活圏が重なる範囲で対話の機会を作っていくことが、地域を、そして社会を変えていくことにつながるように感じました。
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ともしび・NPOスクールは、12月4日から調査の基本編が始まります。
2コース以上ご参加の方は、年間スクール参加がおすすめ。実施済みのコースのアーカイブも視聴できます。
また、ともしび・ひみつゼミも参加者募集中です。マイテーマを設定し、定期的にゼミメンバーと意見交換をしたりゲストスピーカーを交えて議論することで深めていきます。
詳しくはこちらをご覧ください。
ともしびNPOスクール
https://www.jnpoc.ne.jp/tomocivi2025/school/
ともしび ひみつゼミ
https://www.jnpoc.ne.jp/tomocivi2025/himitsu-semi/
