主要20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が6月28日、29日に大阪で開かれます。議題は経済に関することが主要ではあるものの、近年では、国際保健、科学技術イノベーションへの対応、気候変動とエネルギー転換、途上国・新興国の経済、移民・難民に関することなど、世界全体で取り組むべき課題に関する議論が行われます。G20で議論・合意されることは、私たちのくらしや市民社会へ直接的にも、間接的にも影響があるのです。
私たち市民活動団体は、G20に市民の声を届けるための場にしていくため、「G20大阪市民サミット」(以下、市民サミット)を6月25日、26日の二日間大阪市で開き、350人の市民活動関係者が集い議論を行っています。
開会あいさつでは、実行委員会共同委員長である三輪敦子さん(アジア太平洋人権情報センター所長)が、「公正で豊かな社会のためにパッションを発信する場にしましょう」と会場に呼びかけました。「性別で人を縛らない、自由で平和で豊かな社会にするために、フェミニストでいこう。この場に来られない人たちに対して、説明責任を果たしたい」とも語りました。
午前中の全体会では、「C20(Civil20)」が4月に開いたC20サミットの報告がありました。G20には女性のW20や若者のY20など複数のエンゲージメント・グループがありC20はその一つです。世界30ヵ国400名以上のNGO関係者がオンラインで、 11のテーマごとの議論に参加し、『C20政策提言書 2019』を作成しました。G20サミットの国際メディアセンター(IMC)でも配布を予定しています。
http://www.civil-20.jp/blog/c20-policy-pack-2019-in-japanese
C20サブシェルパの堀内葵さん(国際協力NGOセンター)が強調したのは、「透明性」でした。政策提言書は一部の人たちで作るのではなく、世界中からのNGOが参加できるように、オンライン上で議論ができるように呼びかけたり、2019年2月に海外NGOを招聘した対面準備会合を行ったり、G20関係者との対話や戦略会議を経て制作したそうです。「この透明性が政策提言の根拠となる」と堀内さんは語りました。
これから二日間を通じて、G20大阪市民サミット全体宣言文とポジションペーパー/提言案が議論されます。
http://www.smiletibet.net/summit/
世界全体では、市民社会スペースの減少が、大きな課題として提起されています。しかし、日本では市民社会スペースの減少についての実感はあまりないと思います。市民が関心を持って関わっていかなければ、大事な政策から置いてきぼりになってしまう危惧があります。この機会に、市民から提起された課題について、団体や地域で議論の場を作っていただきたいと思います。