あるNPOの会議で、ボランティアと営利企業の関わりについて、大きな議論があった。
「農村地域で耕作放棄された土地を株式会社が管理・運営している。農繁期のお手伝いするために、援農ボランティアを法人のWEBサイトで広く募集をするかどうか」という内容だった。

積極的に応援しようという意見と、広くボランティア募集することに反対という意見が、真っ二つに分かれた。

そのNPOでは、パートナーとなる団体は非営利団体に限るという原則でこれまで行っていた。広くボランティア募集して取り組む活動は、活動自体の公益性だけでなく、運営母体も非営利団体であることが重要だと考えていたからだった。

今回提起されたことは、「社会的な課題の解決につながるのであれば、法人形態にこだわる必要はない。法人格だけで判断する必要はない」という意見が多くあった。

最終的には、これまでの原則通り、「広くボランィア募集を行う場合は、運営母体も非営利団体であること」という決定となった。

企業の社会貢献担当者との話のなかでも、似たような議論があった。
本業として社会課題の解決の重要性が言われるようになり、CSR部という名称も、サステナビリティ部という名称に変更されている。社会貢献のパートナー団体は、NPOだけでなく、ベンチャー企業も入ってきているということだった。
クラウドファンディングで寄付を募集する組織も、決してNPOに限った話ではない。ますます営利と非営利のシームレス化は進む。

 ただ、事業や活動だけでなく、そこで生み出された利益がどのように社会に還元されるのか、組織を見ることは、やはり重要な視点だと考える。営利団体と非営利団体は、明らかに違うものである。

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