2022年3月25日、文部科学省から「外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)」が発表された。2019年度(令和元年度)に初めて全国的な調査が行われ、2回目となる。

なぜ、このような調査が行われるのか。日本国憲法第二十六条に、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と記載されている。「国民」は、日本国籍を有する者とされており、就学義務はないという解釈なのだ。ただし、公立の義務教育諸学校へ就学を希望する場合には、国際人権規約等も踏まえ、日本人児童生徒と同様に無償で受け入れが行われている。

2019年度の調査では、日本にいる外国人の子ども1万9千人、6人にひとりが不就学の可能性があるという、驚愕の結果となった。今回の調査では、9千人減少し、1万人が不就学の可能性があると示された。

数字が改善されたことは評価されるが、そもそも、日本国内でこれほど多くの子どもたちが不就学であることと、可能性があるという表現がされており、実態把握ができていないという大きな2つの課題がある。

各自治体や各学校に任せているだけでは、到底受け入れは進んでいかない。また、言葉の壁だけの問題でもない。多様な国籍、多様な背景、個別のニーズを受け止める体制づくりを行政に求めていきたい。また、市民としては、学校内での支え合い、多文化を理解する文化づくりも必要である。

「不就学」という実態があり、「見えない子どもたち」の存在に目を向けてほしい。

<参考>

・外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)(文部科学省)

https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421568_00002.htm

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