コロナ禍で「ひとり親家庭」の収入減少や親の食事量・回数の減少が浮き彫りになっている。NPO法人グッドネーバーズジャパン(GNJP)が9月に実施したアンケートによると「親の1日の食事回数」は2回が半数、1回も1割を超えた。一方で子どもは平日であれば3回が8割、1回はほぼいない。収入が減ったひとり親家庭は6割を超え、親が子どものために食事を我慢するなど、新型コロナウィルスがひとり親家庭の「収入」「食」の両面に影響を与えている。

■「 収入減6割 」ひっ迫するひとり親家庭の生活

同アンケートは、ひとり親家庭食料支援を行うGNJPがフードバンク事業「グッドごはん」の利用者を対象に実施した。回答者は東京・神奈川・埼玉在住のひとり親446人。 新型コロナウィルスの影響に関する調査は3月、5月に続き3回目となる。

今回の調査によると、8月の収入について「収入が減った」と回答した割合は66.4%に及ぶことがわかった。収入減少の要因は、出勤時間の減少や子どものアルバイト先が無くなったことなどがあがった。2019年の調査ではひとり親家庭の親のうち約6割が非正規雇用であった。コロナによる影響でひとり親家庭の生活がひっ迫していることが伺える。

■ 子どものために…1日1食という親も

ひとり親家庭の「食事の量・質」にも影響がある。5月の調査と比較すると、食事の回数や量が減ったと答えた子どもの数は増えなかったが、親は5月54.5%から9月71.3%と増加した。親が健康面を犠牲にして子どもに「食」を提供していることが示された。

さらに約6割の親が食事を3回取れていない。約1割の親は1日に1回しか食事をとれていないことも明らかになった。「変化なし」と答えた人の中にも「食事の質が下がった」という回答もあり、親子に対する健康面での影響が懸念される。


新型コロナウイルスの感染拡大による生活への影響に関するアンケート(9月実施)より

GNJP広報部の飯島史絵さんは食費以外に削減している費用について「光熱費削減をしている方が多く、シャワーを2日に一回にしたり、夏でも冷房をつけなかったり、洗濯物を減らしたりしているようです。他には、塾をやめたり、誕生日プレゼントを買ってあげられなかったりという声もありました」と話した。

■ひとり親家庭の就業は貧困問題の解決に不可欠

GNJPでは困窮するひとり親家庭を対象に、お米や調味料、レトルト食品など約1万8000円相当の食料を配布している。飯島さんは「この食品を必要としている方々に、確実に食品を届けるための『食品と資金』を確保することがまず取り組まなければならないことです。その上で、より多くの困窮しているひとり親家庭の皆さんにグッドごはんを知ってもらうために、子ども食堂や自治体、シングルマザーの支援団体とのつながりを強めていきたいと考えています」という。

民間企業や自治体に求められる取り組みについては、「食品の寄与など即効性のある支援をいただくことも多く、グッドごはんの継続に欠かせないパートナーとなっています。ひとり親家庭の就業は、子どもの貧困問題の解決に不可欠です。企業の人事・採用担当の方には、将来の日本を担う子どもをひとりで育てている方々に対して、チャンスを与えるという視点を持ってくださるよう願います」と述べた。コロナの収束見通しが立たない中、社会全体の包括的な支援が求められている。

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