米国ロックフェラー財団がコロナ禍対応から学んだこと ~災害時の日本のNPOへの示唆~

地域に根差した団体の顕著な役割 米国ロックフェラー財団が先ごろ公表した、2020年から2022年の3年間を対象にしたインパクトレポート(Confronting Crisis by Catalyzing Change, I …

手が届く距離から公共を創り出す

「公民館のしあさってはデザインのしあさって!? 」展が東京ミッドタウンで開催されている(*1)。  この一環で3月23日に開催されたトークセッション「顔の見える公共って成り立つの!? 〜自家製の公共って!?〜」 …

市民活動は問題提起である

日本NPOセンターの設立にも深く関わり(*1)のある、たんぽぽの家が50周年を迎えられました。たんぽぽの家は奈良に拠点を持ち、障害のある人たちの生きる場づくりに取り組んでいる団体です。これを記念して奈良で行われた展覧会「 …

ファクトを集めること

私が運営委員をしている狛江市市民活動支援センターが、市内の団体を対象とした調査結果を、昨年発表しました。市民活動支援センターが動き出して5年。市内の団体の課題をもとに、次の5年計画を作っていくことがねらいでした。 登録す …

「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」成立。そのポイントを整理します。

2022年12月10日、「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」が成立しました[1]。11月18日に政府が概要を提示し、12月1日に法案が閣議決定。そこからわずか9日間という異例のスピード成立です。成立したか …

「被害者救済・再発防止のための寄附適正化の仕組み(概要)」を読む

旧統一教会による霊感商法や悪質な献金集めが問題になっていることを受けて、被害者救済のための新法が検討されています。この新法は寄附募集を規制することを想定しているため、NPOの活動にも影響を及ぼしかねません。霊感商法等によ …

自然資本の回復 ~身近な自然環境への注目~

小学生のときに、夏休みの自由研究として「地球温暖化」を取り上げたことがあった。温室効果ガスのこと、気温の上昇、生態系への影響などを調べた。今でも覚えているぐらい強烈な印象が残っている。 現在、脱炭素社会の実現は、世界の課 …

選挙の前に読んでみる NPOの政党アンケート

2022年7月10日、第26回参議院議員通常選挙が行われる。街頭では各政党が公約・マニュフェストをかかげ、有権者に政策をうったえかけている。 同じく国政選挙で活発化するのが、NPOによる政党アンケートだ。自分たちが取り組 …

衆知を集めて、ヤングケアラーを支える

令和 3 年度子ども・子育て支援推進調査研究事業​「ヤングケアラーの実態に関する調査研究」が日本総合研究所から発表された。小学生を対象とした初めての全国調査となった。 「家族の世話をしている」と回答した小学校6年生は6. …

日本のなかの「見えない子どもたち」

2022年3月25日、文部科学省から「外国人の子供の就学状況等調査(令和3年度)」が発表された。2019年度(令和元年度)に初めて全国的な調査が行われ、2回目となる。 なぜ、このような調査が行われるのか。日本国憲法第二十 …

市民社会組織によるウクライナへの支援

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に対する反対運動や、平和を呼びかける行動が、世界各地で続いている。日本でも、在日ウクライナ人やロシア人、両国に縁のある人や留学生、そして一般の人びとが街頭に繰り出し、即時の停戦、ウクライ …

周縁部にあらわれる市民活動らしさ

今年度、東洋大学での講義を担当する機会をいただき、学生とともにNPOによる障害者の就労支援の取り組みを聞いてきた。就労支援事業は、一般就労を目指す「就労移行支援事業」、一般就労は困難だが雇用契約に基づく就労が可能な人を対 …

孤独・孤立対策 連携プラットフォーム始動

2021年9月27日、孤独・孤立対策 連携プラットフォーム(仮称)準備会合が開かれた。 この会合には政府側から菅内閣総理大臣、加藤内閣官房長官、坂本孤独・孤立対策担当大臣と、内閣官房孤独・孤立対策担当室の政策参与である大 …

日米で学んだ「高齢化社会におけるコミュニティを主体としたテクノロジーの活用」

社会課題のグローバル化やボーダレス化が言われて久しい。課題解決のヒントやリソースは、同様の取り組みを行っている海外の団体が持っていたりするものの、その存在を知らなかったり、知っていても言語や文化などの違いなどもあり、日本 …

災害支援は「分野」ではない

特定非営利活動促進法には20の「特定非営利活動」が設定されていて、一般的には活動分野として捉えられている。具体的には「保健、医療又は福祉の増進を図る活動」「社会教育の推進を図る活動」などで、NPO法人は定款において、自ら …

熊本地震下の高齢者施設 300人のボランティアと続けたケア

<取材・執筆>高松 美希   <取材先> 株式会社南阿蘇ケアサービス 副代表 松尾 弥生さん 熊本地震。最大震度7を観測した自然災害から、5年が経つ。 誰もが被災者で、平常心ではいられない時、多くの高齢者を抱える高齢者施 …

社会的マイノリティに配慮した英訳について考えたこと

日本語でも社会的マイノリティに配慮した言葉が数多くある。よく話題になるのは障害(者)※をどう表記するか。この場合、障害の「害」という字をあえて使わず、「障碍」や「障がい」と表記することも増えている。 ところ変わってアメリ …

NPOに求められる「速く」と「じっくり」

日本NPOセンターは2021年度に25周年を迎える。それにあわせて昨年度から現在の中期ビジョンの見直しの議論を進めている。 現在の中期ビジョンは2018年に策定。サブタイトルを「価値創出の推進役へ」とした。当時、休眠預金 …

「中間支援組織」ってなんやねん

「いわゆる中間支援組織で活動をしています」日本NPOセンターの研修などで参加者からよくきく表現だ。 私はこの表現を聞くたびに思う。「中間支援組織ってなんやねん」と。使ってしまう気持ちもわからないでもないのだけれど。 内閣 …

想像したい 路上生活の今と支援の未来〜ボランティア参加ルポ

<取材・執筆>福島 未来 <取材先>新宿連絡会 先月16日、東京都渋谷区で、路上生活を送っていた女性(64)が男に殴られ死亡する事件が起きた。報道によると、女性は春から路上で暮らしていたという。 3992ー。これは今年1 …